rue St Ferreol

(サン・フレオール通り:通称県庁前通り)

 

Marseilleは活気のある街だ。人の顔で判断するのはどうかと思うが、よーく見るとどこ

の国の人かわかる気がすることがある。

匂いでかぎ分けることも、たまには助けになることだってある。

しかし、それだから何なのだ。人と人の出会いであるだけではないか。案の定、話出す

と言葉を聞いて裏切られる。

「ボンジュール、アッサラーム・アレイクム!」と声掛けられ、

おはよう、シュクラン、ムアッサラーム」と微笑むと、その老人も顔をくしゃくしゃにして

微笑み返す。東洋の果てと果ての出会いがここにはある。

 

「民族衣装を着て小惑星発見の説明をしても信じてもらえず、西欧の服を着て発表した

ら文句無く認められた。」という、あの一節が身にしみてわかる。

そんなにも多くの人種が溢れているこの街で、彼も同じ経験をしたのだろう。

他民族国家を名乗る某国なぞ足元にも及ばない。ここぞ人種の坩堝の街である。

 

街を歩けば子供たちのはしゃぐ声、道端に歌うおばーちゃん、頬を赤く染めて歩く老人、

腕を組んで楽しげな若いカップル、銀色に塗りたくったマネキン人間

昼下がり、街角には人の暖かさが通い合う。

 

20010217 yossy